こんにちは、パン屋のしまです。
最近小麦粉が新年度のものに切り替わり始めてますね。
新年度の小麦粉を新麦(しんばく)と呼びます。
新米の小麦バージョンです。
小麦粉の収穫時期によって変わりますが、
秋に収穫された小麦粉は2〜3月くらいに我々パン屋の元に届きます。
去年のものから今年のものに0→1で急に変わるわけではなく、
グラデーションで変わっていきます。
いきなり100%新麦になると作り手が困惑しますので、
製粉会社さんが上手くコントロールしてくれていると思います。
この辺りは各製粉会社さんの企業秘密なので断言は出来ませんが、あってると思います。笑
新麦になったからといっても、特に製粉会社さんや問屋さんからのアナウンスもありません。
基本的には自分で気づくしかありません。
基本的な新麦の特徴は2つです。
- 吸水が入りにくい
- 生地がダレやすい
吸水を少し減らし、場合によってはモルトも減らして対応します。
毎日現場に向き合って生地を仕込んでいれば、気づけるくらいの違いは生地に現れます。
何種類かの品種をブレンドした小麦粉の場合、新麦に切り替わっても影響が少ない場合もありますので、一概には言い切れない点もあります。
私は単一品種で製粉された、ブレンドされてない小麦粉を好んで使っています。
- カナダ産の1CW
- ゆめちから
- はるきらり
- キタノカオリ
- きたほなみ
などが私の店のそれにあたります。
単一品種の小麦粉は年度によって全く違う品質で私の手元に届くことも多いです。
例えば去年度生産のキタノカオリは低アミロースのものですし、
(ここでは低アミロースの説明は省きます)
2年前の1CWは非常にボリュームが出にくく、レシピを変更することになりました。
この様な品質のブレを許容しにくい大手ベーカリーやホールセールでは、
単一品種の小麦粉はあまり使用されません。
私は気に入った小麦粉が単一品種のものだったので、自然に単一品種の粉が増えました。
ブレンドされて無い粉の方が、レシピが組み立てやすい点も好きですね。
その年度ごとの品質に合わせて、パン作りするのも粉屋の仕事だと思っています。
それでは今日はこの辺で、みなさま良い1日を!