前回バゲットの生地がほぼ全く発酵していなかったことについて書きました。
今回はその原因について書きたいと思います。
何かミスした時の参考なれば幸いです。
まず考えられるのがイーストの入れ忘れです。これが原因の場合は何をしても膨らみません。
私は捏ねない製法を採用しており、イーストをお湯で溶いてから生地に混ぜています。
直接粉に混ぜても溶け切らないからです。
記憶の片隅にイーストを計量した記憶と、イーストを溶かした記憶がありますので、
おそらくイーストは配合されています。
確認のため、バゲット生地をフライヤーで揚げてみます。
- イーストが入っている場合は生地が膨らみ浮いてきます。
- イースト入っていない場合は春巻きの皮や揚げギョーザのような状態で揚がります。
バゲット生地をフライヤーに入れると、若干膨らみながら浮いてきましたので、やはりイーストは入っているようです。
次に考えられるのが冷蔵庫の設定温度ミスです。
冷蔵発酵バゲット生地のイースト配合量は0.2〜0.3%ほどが一般的ですが、
私の生地は0.08%まで減らしています。
なので少しの温度管理ミスでも発酵不足になりやすいです。
確認したいのですが、出勤直後に冷蔵庫の設定温度を変えているので、
夜間の設定温度を確認する術がありません。
しかし同じ冷蔵庫に入っている他の生地はいつも通りに発酵していました。
冷蔵庫の設定温度ミスも恐らく違うと思います。
イースト入れ忘れ、冷蔵庫の設定温度ミス、両方とも違うとなると、原因追及が難しくなります。
多少の捏ね上げ温度が低いとか、冷蔵発酵までの発酵が足りない等も原因としては考えられますが、
全く発酵していないレベルのミスにはなりにくいからです。
結局この日は明確な原因が分からずに営業を終えました。
こういう時はもやもやします。
翌日の仕込み日になり、原因が分かりました。
少量のイーストを測る微量計の調子が悪かったようです。
通常のパンの場合、イーストを数十グラム配合しますので、1〜2gずれても大きな問題にはなりません。
しかし今回の生地の場合、3〜4gしか配合しないので、1〜2gのズレが致命傷になっていた様です。
この微量計も5年以上使用しているので、そろそろ交換するべきだったのかもしれません。
もやもやが晴れたと同時に、この機械の不調にすぐ気づくにはなかなか難しいなぁ感じた次第です。
今回のミスが他のパン屋さんのミス防止になれば良いと思い、今回シェアさせていただきました。
それでは皆さま、良い月曜日を!私はミスしたバゲットをパン粉にします。笑