カヌレに使う小麦粉を変えました【小麦粉の特徴を把握しよう】

先日カヌレの仕込みに使う小麦粉の配合を変更しました。

今回は使用した小麦粉と変更した経緯をお伝えします。

まずカヌレとは何か、簡単に説明しますね。

目次

カヌレとは?

カヌレはフランス、ボルドー地方発祥の焼き菓子です。

牛乳や卵、砂糖などを混ぜたアパレイユ(液状の生地)を専用の型に流して、

焦茶色になるまでしっかり焼き込みます。

外カリ中もちの食感がクセになる、ラム酒とバニラの香り漂うお菓子です。

20年ほど前から日本のお菓子屋さんやパン屋さんでも見かける様になったと思いますが、

近年さらに人気になってる印象です。

カヌレ

使用する小麦粉について -エクリチュール-

フランスの伝統菓子なのでフランスの粉を使おうと思い、

shimaではフランス産小麦の「エクリチュール」100%で仕込んでいました。

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何回か試作を重ね、出来も良かったので粉の配合をエクリチュール100%に決めました。

自分でも気に入っていたカヌレでしたので、自分の店のカヌレを私もよく食べていました。

自分で焼いたアイテムを自分で定期的に食べることは大切です。

原材料の見直しは常に必要

材料は全て農作物なので同じ様に作っていても、少しづづブレていきます。

定期的にチェックしてブレを直していく作業が長期経営には非常に重要になります。

飲食店を利用した際に「最近あの店の味落ちたな〜」と感じる時ありませんか?

それはアイテムのブラッシュアップを怠っている場合が主な原因だと思います。

年月とともにレシピが風化していってしまうのですね。

それを避ける為にはオーナーが現場に立つことは非常に重要だと感じています。

そしてある日、カヌレを試食して感じたことあります。

「このカヌレ、ちょっとガリっとしすぎかな?」と。

他の店には無いくらいのガリっと感があり、中のもちっと感とのコントラストも非常に良いです。

でもお子様やご年配の方には食べ辛い、むしろ噛みきれないのでは無いかと感じました。

私は老若男女幅広い層に食べてもらえる様な商品づくりがモットーです。

食パンの耳も薄く歯切れ良く作っていますし、ハース系のクラストもスッと歯が入るような配合にしています。

どんな粉に変えた? -バイオレット-

もう少しカリッとペリペリっと剥がれる様な外皮にしてみようと思いました。

そのために必要な粉はエクリチュールよりもタンパク値が低く、

スポンジケーキ等に向いている、柔らかい粉でした。

今回の狙いにピッタリな粉が「バイオレット」です。

スーパーでも多く出回っている薄力粉ですね。

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この粉はアメリカ産のウエスタンホワイトと国産のきたほなみの

ブレンドで作られていると推測しています。

ブレンドは企業秘密で公にはされていませんが、

ラベルの原材料産地や私が使用している感覚的に、

おそらくこの2品種のブレンドだと思います。

バイオレット100%だとガリっと感が薄くなりすぎると感じたので、

バイオレット50%、エクリチュール50%で試してみました。

結果は試作1回目から大成功でした。

ほどよいガリっと感と崩壊感のある食感で、

更に美味しく、幅広い層に支持されるカヌレになったのでは無いかと思います。

まとめ -パン屋は粉屋-

私はパン屋は粉屋だと思っています。

用途によって小麦粉を自由に選択できる能力を非常に大切にしています。

パン作りを始めたばかりの方や、パン業界に入ったばかりの方だと、

星の数ほどある小麦粉の違いがわかり辛いと思います。

私も最初はそうでした。

独立開業してから100種類以上の粉を試すうちに、

少しづつ特徴や違いをわかる様になりました。

このブログではそういった知識も伝えていければ良いなと思っています。

それで皆さま、良い1日を!私はYouTube編集を進めたいと思います。

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この記事を書いた人

パン職人歴17年、パン屋経営歴6年
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